遊戯空間とは

俳優、演出家の篠本賢一が主宰し、現代劇創作を続けている集団です。小劇場ブームの只中だった1988年に旗揚げしましたが、近年は、主に古典芸能の現代劇化、あるいは、現代詩の演劇化など、「文学性の高い言語を軸にした劇的空間創造」に力を入れています。その理念と方法は、篠本が約20年間にわたり故観世榮夫から薫陶を受けた能楽ワークショップの経験が基になっています。日本の古典芸能が持つ優れた演劇性を未来につなぐ劇、それは、現代人の心に豊饒な感動を与え、新たな「様式美」を追求する「現代の能楽」といえるかもしれません。

 

【沿革】

◇198812月、俳優の即興をもとに集団創作した『オルフェオB'』で旗揚げする。

◇19959月、「なんでも小屋NGOMA」にて「サロンシアター」をスタート。客席30席の小空間で3年間、2ヶ月毎に上演を続けた。サミュエル・ベケット、ウジェーヌ・イヨネスコ、ジャン・ジュネ、フェルナンド・アラバール、別役実、正宗白鳥らの不条理劇、あるいは現代詩のコラージュ作品などにより、表現の可能性を追求し、演劇の独自性を考察した。

◇19989月、中劇場(六行会ホール)での公演にシフトチェンジ。同時に古典芸能とのコラボレーション作品を準備。

◇20012月、3か月連続で江古田ストアハウス提携公演『曾根崎心中』を上演。近松原文の立体化、「観音廻り」の復活などで高評価を受ける。同年10月、日韓アートフェスティバルに招聘されソウル公演を果たす。

◇20038月、中心俳優の青木雪絵が急逝。その後、2年間活動を休止する。

◇200512月、和合亮一の現代詩による『詩×劇 あらゆるものからせみが生まれてしまえあらゆるものは脱け殻になってしまえ』で活動を再開。

2007年から2011年まで、泉鏡花、三遊亭圓朝など、古典芸能と現代劇のコラボレーション作品を連続上演。

◇20117月、和合亮一の「詩の礫」と過去の現代詩を構成した『詩×劇 つぶやきと叫び―深い森の谷の底で―』を上演、これは翌20123月、仙台文学館において、仙台の演劇人たちとのコラボレーションにより再演された。

◇201212月、『全段通しリーディング仮名手本忠臣蔵』上演。浄瑠璃床本の大序から討入までを約3時間で一気に語り尽くすという画期的な上演は、その後、遊戯空間のレパートリーとなる。

◇20139月、一般社団法人遊戯空間となる。

◇2016年11月、ストアハウスコレクションNo.8 日韓演劇週間Vol.4に『たったいま八月の冥王星でたったいま八月の地球では』(改訂版)で参加、韓国劇団「創作集団Choc.24」と交流する。

◇2017年2月、『全段通し仮名手本忠臣蔵』が芸術文化振興基金助成事業となる。

◇2018年3月、『詩×劇 つぶやきと叫び~礫による礫ふたたび~』が芸術文化振興基金助成事業となる。

◇2018年10月、『喪服の似合うエレクトラ』が、平成30年度文化庁芸術祭参加公演となる。

◇2021年12月、『サド侯爵夫人』(プロジェクト榮企画)を上演。

◇2022年11月、『サド侯爵夫人』(プロジェクト榮企画)を再演。高い評価を得る。

◇2023年11月、『吉良屋敷』を上演。

◇2024年3月、『詩✕劇 つびゃきと叫び~ふるさとはいまもなお~』STORE HOUSE Collection  Excellent Works Vol.4にて上演。

                                                            (2024/3/31