全段通し仮名手本忠臣蔵 2018

遊戯空間公演 

第8回したまち演劇祭in台東参加

 

2018年1月18日(木)~22日(月) 

浅草・木馬亭

 

作:竹田出雲

  三好松洛

  並木千柳                 

構成・演出:篠本賢一

音楽:若月宣宏(太鼓)

   設楽瞬山(笛)

 

~大序から討入まで一気に語り尽くす渾身の舞台~

 

出演:佐々木梅治(劇団民藝)

   側見民雄(演劇集団「阿吽」)

   里村孝雄

   をはり万造

   堀光太郎

   渡辺聡(劇団俳優座)

   永野和宏(劇団新人会)

   篠本賢一

   望野哲也

   草野峻平

   川邊史也(劇団銅鑼)

   

   観世葉子

   金子あい

   渕野陽子(劇団青年座)

   神保麻奈

   山崎沙織

 

【Wキャスト】

天(18日18時・19日18時・21日14時)

……里村孝雄(高師直)、金子あい(顔世御前)、渕野陽子(おかる)

河(19日13時・20日14時・22日14時)

……側見民雄(高師直)、渕野陽子(顔世御前)、金子あい(おかる)

  

詳しくは、したまち演劇祭公式サイト
http://www.shitamachiengekisai.com/2018/program/                                  

 

 

照明:青木慶太 

宣伝美術:工房S 

舞台写真:宮内勝 

ビデオ撮影:大塚登(東京舞台映像)

制作:遊戯空間 

制作協力:高橋俊也

            (THEATRETHEATER

演出協力:青木恵

     緒方美浮 

衣装協力:細田ひな子

制作:一般社団法人遊戯空間 

主催:「したまち演劇祭 in 台東」実行委員会  

写真 宮内勝

再び木馬亭へ

 

人形浄瑠璃、歌舞伎の名作『仮名手本忠臣蔵』を全段通しで上演するこの企画を二〇一二年から始めて、今回で六回目の上演となりました。木馬亭でのリーディング上演、「読む」バージョンは、台本を携え、服装は黒の上下に白足袋だけ、歌舞伎のような所作や文楽の太夫のような節もなく、原作の言葉から、いかにドラマを浮かび上がらせるかに挑戦し、昨年春は、その集大成として、吉良邸に近い両国・シアターカイで、「演じる」バージョンを上演し、文楽でも歌舞伎でもない、現代劇としての『仮名手本忠臣蔵』を上演できたのではないか、と手ごたえを感じました。これでしばらくは『仮名手本忠臣蔵』はやらないだろうと思っていましたが、御縁あって「したまち演劇祭」に参加させて頂くことになりましたので、これをいいチャンスと考え、新たな「読む」バージョン創作に取り組みました。

 『仮名手本忠臣蔵』は、殿中刃傷事件があった元禄十四年(一七〇一)から四十七年後の寛延元年(一七四八)に初演されます。人形浄瑠璃の竹本座で上演されたのち、歌舞伎化され、歌舞伎では「独参湯」(どくじんとう)という妙薬の名で呼ばれるようになり、観客の入りが悪くなるとこれを上演しました。竹田出雲、三好松洛、並木千柳の三人の作者による共作ですが、全段を通じ、四季折々の風景を盛り込み、色彩感豊かにドラマが進行していきます。また、武士に限らず様々な階層の人物を絡ませ、敵討ちの話にとどまらない人間模様の小宇宙が形成されています。「顔世御前」「おかる」「小浪」の三人の女たちが想う相手が、皆死んでしまうという運命を担うことから、これを女性の悲恋のドラマ、あるいは、女性の魔性のドラマと読むこともできるでしょう。

 ところで、よくお客様に「忠臣蔵」なのに「大石内蔵助」が出てこなかった、刃傷の場面が江戸城でなく鎌倉だった、討ち入りに船でやって来たのはなぜか、などのご質問を頂きますが、当時、武家社会を批判するような作品は幕府に取り締まられたことから、作者たちは時代や設定を変えて物語を作りました。元禄赤穂事件も武家社会のスキャンダルともいえる事件なので、「大石内蔵助」が「大星由良助」になり、「太平記」の人物を借りて「浅野内匠頭」が「塩谷判官」に、「吉良上野介」が「高師直」に変わっています。ですが、当時の観客には、それが誰をモデルにしているのか、容易に想像がついたわけです。

  天保年間、幕府の通達で、中村座、市村座、河原崎座など、主要な歌舞伎小屋がここ浅草に移転させられました。はじめは江戸の外れのこの場所にお客の足は遠のきましたが、やがて、かつての賑わいを取り戻したようです。そんな歌舞伎のゆかりの地で、私たちの『仮名手本忠臣蔵』を上演できることは感慨ひとしおです。どうぞ最後までお楽しみください。本日はご来場、誠にありがとうございました。

篠本賢一(パンフレットより)