遊戯空間vol.4
東京国際演劇祭‘90自主参加作品
1990年11月30日~12月5日
江古田ストアハウス
作:宋英徳(演劇集団円)
構成・演出:篠本賢一
出演:宋英徳(演劇集団円)
齋藤緑
山本薫
笠原秀晃
蠣崎まな美
丸山広
内田光
武中秀人
なべかずお
林田美紀
美術:斉藤宏司
音楽:三上靖浩
照明:高良康成
音響:野田幸彦
宣伝美術:鈴木徹
舞台監督:森徹
制作:水野資子
MEMO
ダニエル・キース著「アルジャーノンに花束を」に触発され作った新作。宋英徳の書下ろし戯曲を篠本が演出する。主人公の記憶の奥底に眠るのは、日本の高度成長時代の庶民の生活風景。貧しくとも心が豊かであった時代へのオマージュと人間の知性の意味を問いかける。装置は前作に続き、建築家の斉藤宏司。メインとなる前舞台を上下左右パネルで囲み、密閉された空間を作り出した。照明家泣かせのプランだったが、脳内という特殊な空間を表現した秀逸な装置だったと思う。観客には概ね好評な公演だったが、篠本と宋英徳のコンビは本作のみで解消される。それは前述したとおり、篠本の演劇の方向性はウエルメイドの戯曲にはなく、俳優が演じるという行為そのものがテーマとなるような多重構造の演劇に興味があったからだ。