遊戯空間公演
2014年11月26日(水)、27日(木)
浅草・木馬亭
〜大序から討入まで一気に語り尽くす渾身の舞台〜
出演:佐々木梅治(劇団民藝)
をはり万造
山谷勝巳
渡辺聡(劇団俳優座)
柳鶴英雄
坂詰貴之
加藤亮佑
丸本育寿
大沢一起
篠本賢一
観世葉子
神保麻奈
渕野陽子(劇団青年座)
藤巻るも(劇団民藝)
照明:青木慶太
鳴物:若月宜宏
写真:宮内勝
ビデオ撮影:大塚登(東京舞台映像)
宣伝美術:前嶋のの
制作:篠本翠
制作協力:高橋俊也
(THEATER-THEATER)
人形浄瑠璃、歌舞伎の名作『仮名手本忠臣蔵』、この魅力溢れる作品を現代演劇のレパートリーにすることはできないかと考え、「全段通しリーディング仮名手本忠臣蔵」と銘打ちスタートし、今年で三年目を迎えました。江戸時代、実際に起こった事件を芝居などで取り上げることは、幕府に禁じられていました。『仮名手本忠臣蔵』は、元禄十四年(1741)の松の廊下の刃傷事件から四十七年後の寛延元年(1748)に竹田出雲、三好松洛、並木千柳らによって書かれました。元禄赤穂事件もある意味武家社会のスキャンダルともいえる事件であり、これを取り上げることは幕府批判になりかねないことから、作者は注意してこの事件を脚色したようです。「大石内蔵助」は「大星由良助」に、「浅野内匠頭」は、「塩谷判官」に、「吉良上野介」は「高師直」といった具合に変更されています。ときどき、「忠臣蔵」なのに「大石内蔵助」が出てこなかった、刃傷の場面が江戸城でなく鎌倉だった、など疑問に思われる方がいらっしゃるようですが、それはそういった事情からなのです。しかしながら、史実を基に巧みな構成によって、魅力的なドラマとなりました。全段通すことで見えてくるドラマの醍醐味。リーディングと銘打っていますが、それは動きを伴う演劇の一歩手前ということではなく、通常のドラマのもう一歩先を行く「ことばの劇」として、ご堪能いただければと思います。幕末に歌舞伎が隆盛したここ浅草で、私たちの『仮名手本忠臣蔵』をお楽しみ頂けたら幸いです。
篠本賢一(パンフレットより)