遊戯空間プロデュース公演
1994年1月28日~30日
江古田ストアハウス
作:別役実
演出:篠本賢一
出演:瀬尾陽子
井上 義幸
江浦幸則
西田稔梨(劇団東演)
藤田三三三
中村和彦
山本長
青木雪絵
照明:宮下基幸
音響:青柳敦子
装置:井上義幸
宣伝美術:梅原光栄
制作:遊戯空間
MEMO
お互いに無関係の街角で出会った人々が、とある殺人事件をきっかけに、実は仕事でつながっていたことが判明する。そして、死亡者が出てグループが機能不全に陥ったとき、別のグループが現れ、そこにいた人々は存在の根拠を失い……。別役劇を新しいスタイルで表現したいと思い、舞台床面は30度近い急勾配の八百屋、衣装と装置は新聞紙をベースに作り、現代社会における存在の希薄さを視覚的に表現しようと試みた。俳優が極度に勾配のある舞台に立ち続けるとき、その無言のたたずまいに不思議な緊張感が漂った。別役劇特有の風が吹くシーンでは、天井に吊るされたいくつもの扇風機から送られる風に、舞台装置と衣装の新聞紙がカサカサ音をたてて鳴り、人間や街がペラペラの紙のようになってサワサワと揺れた。本作から、青木雪絵、藤田三三三とのコラボレーションがはじまる。