遊戯空間vol.2
1989年7月21日~23日
パモス青芸館
構成演出:篠本賢一
出演:齋藤緑
山本薫
鈴木勝
丸山広
照明:中村敬一(ライティング・ライン)
音楽:石崎美奈子
音響:小玉真
制作:遊戯空間
MEMO
3人のモノローグを中心に劇は進行する。若い男は引きこもりで外に出ようとしない。クラリネットを練習しているがあまりうまくない。女1はいつも電話をかけていて楽しそうに思い出話をしている。学生時代のクラスメートと話しているのだが、相手は自分のことを覚えていなかった。女2は職探しに忙しい。なかなか職が見つからず四苦八苦している。生きる場所を見つけられない焦り。都市という迷路をさまよっているセールスマンが若い男のアパートを訪れる。販売が目的でないと言い、たびたび訪れるようになるが、実は親しげに接するのもマニュアルで訪問の目的はセールスだったことがばれてしまうのだった。都会に住む若者たちの人とのつながりがうまくいかない切なさが描かれる。装置は白い紙で作ったパネル。ラストシーンでは音楽が鳴り響く中、劇中に交わることのない3人の登場人物が白いパネルを一緒に空色に染めていく。激しかった前作からムードをがらりと変えて、外からは見えない部屋の中で人はどんな孤独感を抱いて生きているのかを描いた。セリフは役者が創作しそれを演出がまとめた。